ノート・グルーピングについて

マルセル・タビュトーの提唱したノートグルーピングに出会って3年目になる。
このメソッドを勉強し始めて、今まで感覚的に演奏していた事や、上手くいかない事がわかっていてもどう解決すれば良いのかという事の答えが見つかった。
このメソッドは、音楽の文法を正しく理解していかに意味のわかる演奏をするかというもの。
アップビート(アルシス)からダウンビート(テシス)への音の流れを基本に構築されている。
音の連桁に囚われているとアルシス〜テシスへのグルーピングを理解する事は出来ない。
このメソッドに取り組み始めた時は今までの考え方と180°違っていたためとても抵抗もあったが、メソッド通り演奏すると、とても表情が豊かになり、音色も良くなり、ストレス無く演奏出来るようになってきた。
指導においても、なぜ上手くいっていないのか、どのようにすれば上手くいくのかが具体的にわかるようになってきた。
演奏技術が素晴らしくても退屈する演奏と、聴いていてあっという間に時間が経ってしまう演奏との違いは、この文法を理解し、感じて演奏出来ているかそうでないかの違いである事がわかった。
昨年、杉江氏の翻訳した「ノート・グルーピング入門」が出版されてから急速にこのメソッドが広まっている。多くの人がこの本を購入し、勉強し始めているが、本当に熱心に勉強しているのはアマチュアの方が多く、プロの演奏家の方々はそれぞれの考え方や経験があり、このメソッドをなかなか受け入れにくいという現状があるようだ。
しかし、プロの演奏家にこそこのメソッドに取り組んでもらいたいと切に願う。
タビュトーの感じていた音楽の本質をいかにわかりやすく伝えていくかと言う工夫がふんだんに含まれており、プロの演奏家がどのような心構えで音楽に向き合って行くべきかが書かれている。
2019年2月に翻訳者の杉江氏と共に立ち上げたアルシス吹奏楽団のコンサートが2019年6月6日(木)に伊丹アイフォニックホールで開催される。
この楽団は、プロ、アマの垣根無くこのメソッドに共感を得た人達が、このメソッドに基づいて演奏する吹奏楽団をという事で現在練習に励んでいる。
第1部では、2019年度吹奏楽コンクールの課題曲を使用して、グルーピングのレクチャーと正しくグルーピングした演奏とそうでない演奏との違いを聴いて頂いて感じて頂こうと企画している。
興味はあるが一歩踏み込めない方や、本は購入したがいまいちよくわからないという方などは是非演奏会に来て頂き、このメソッドに取り組むキッカケにして頂ければと思います。

0コメント

  • 1000 / 1000